脚立の“あと少し”が命取り

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シュシ

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🪜 脚立の“あと少し”が大事故に

現場でよく見かける光景のひとつに、「あと少しだけ届かないから」と、
脚立の一番上の天板に乗って作業をする姿があります。

しかし、この“あと少しだけ”が、重大な事故を引き起こす原因になることをご存じでしょうか。

——脚立の天板に乗ってはいけない理由

脚立の天板に乗ると体を支える場所が無いため、作業時等のわずかな揺れや体の動きでバランスを崩しやすくなります。
落下した時は回避行動をとることができないので、打撲・骨折などの大けがにつながるケースが後を絶ちません。
そこで落下のリスクを減らし、より安全に使用するために体を支える場所を設ける必要があり、
天板を含め高さ210㎝以下のタイプで天板から2段目、高さ240㎝以上のタイプで天板から3段目までを乗って良い踏みざんとしています。

——脚立をまたいではいけない、天板に座ってはいけない理由

さらに、脚立の天板に「またがる」「座る」行為も非常に危険です。
両側にまたがったり座ったりすると、一見安定する様に見えますが、脚立の天板をまたぐときの体重移動でバランスを崩しやすくなります。
また脚立の正面幅は奥行長さに比べ狭く、脚立を開いた時の奥行方向の角度が約73度に対し支柱角度は約85度であるため、
昇降面から見て横方向への力が加わると転倒しやすいです(下図参照)。
実際に脚立メーカー各社の取扱説明書でもこの使用方法は禁止されています。

脚立は「手軽な足場」として身近な存在ですが、その安全性は正しい使い方をしてこそ保たれます。
天板には「乗らない」「またがらない」「座らない」——この三つのルールを守ることで、事故のリスクは大幅に減らせます。

安全は、作業の効率よりも優先すべきものです。
“ちょっとだけなら……”の油断をせず、脚立をより安全に使いましょう。






🪜脚立の正しい使い方を守ろう!

●主な注意点
•天板に乗らない
•天板にまたがらない
•天板に座らない
•脚立から身体を乗り出さない
•不安定な場所で使わない
•ぐらつき、損傷、変形のある製品は使用しない

●脚立の使い方

天板を含め天板から最大3段目(高さ210㎝タイプ以下は最大2段目)以下の踏みざんに乗り、
天板や踏みざんに身体をあて、安定させた状態で作業してください。

※または高所作業が必要な場合は、作業に適した装備を着用の上、
移動式足場や昇降作業台、可搬式作業台の使用をお勧めいたします。      


🪜「一瞬だから大丈夫」は通用しない

独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE) によると、2017年から2021年の5年間で、
はしご・脚立による事故は 162件 (※限定された報告によるもの)の報告があり、
その多くが不適切な取り扱いや不注意が原因でした。
また、60代以上の被害者が約4割を占めているという報告もあり、
年齢を重ねてバランスを崩すリスクも無視できません。

多くの事例が、「慣れ」や「あと少し」という油断から起きています。
“油断一秒、怪我一生”──安全作業の現場では、古くから言われてきた言葉です。

「あと少し」が “あとが大変”

    天板に乗らない・またがらない・座らない

              それが命を守る「あと少し」


参考資料

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